歯周病専門治療

まとめ

歯周病治療は「正確な診断」と「適切な治療法」が大切

日々の治療の中で、よく耳にするのが、定期的に予防処置を受けているにも関わらず、

  • 「歯茎の腫れを繰り返す」
  • 「定期健診を受けているのに、歯周病の進行が止まらない」

という声。日々、お目にかかる患者さまは、虫歯の治療はしっかり終わっているが、歯周病が完治されないで定期健診になっている患者さまがほとんどなのです。歯周病は治らないと言われる先生もいらっしゃいますが、私たちの考えは違います。

歯周病は治ります。

歯周病には様々な病状のステージがあり、それに対して的確な診断適切な治療を行わないと、進行を防ぐ事が困難になります。大きく分けると、軽度、中度、重度歯周病の3段階です。

病状と治療法の図

各症例に対する治療法の説明

状態 歯周ポケットの深さ 治療法
健康:定期健診 2~3mm メインテナンス(3~4か月に一度)
軽度:歯周基本治療 4mm ブラッシング指導、歯石除去
中度:専門治療 5~7mm 歯周外科、歯周組織再生療法、歯周形成外科、矯正治療
重度:抜歯 8mm以上 インプラントによる咬合再構成

※上記の歯周ポケットの深さは、あくまでも目安です。

この表のように、治療は至ってシンプルです。軽度には基本治療、中度には専門治療を、重度には抜歯をすることによって、歯周病の歯は口腔内からなくなります。

世間では中度の歯に専門治療を行わず、重度の歯を抜歯せずメインテナンスにしているため、いつまでも歯茎が腫れが治らず、だんだんと悪くなっていくのは当然です。

歯周病の専門治療を整理すると

① 正確な診断

② 治療方法

 軽度 : スケーリング、ブラッシング

 中度 : 歯周外科、歯周組織再生療法、歯周形成外科、矯正治療

 重度 : インプラントによる咬合再構成

改めて整理すると

① 「中度の歯に対して再生治療などの専門治療を行う」

② 「重度の歯には、ダメなものはダメであるとしっかりと患者さんに説明し、次善策を考える」

という事になります。
ここで言う「次善策」こそが、歯を失った所にインプラントを入れることなのです。
ですから、欧米の歯周病専門医は「歯周治療とインプラントが両方できる」ことが条件となります。

ここでもう一度、確認します。

1.歯周病は治ります。
2.定期健診(メインテナンス)は治った患者さんが受けるものです。

カウンセリング&インフォームド・コンセント・チョイス

ご希望の患者さんには、しっかりお時間をお取りして治療の内容説明をさせて頂きます。
時間的、経済的な制約もあるかと思われますが、様々な治療方法をご用意し、同意と選択をして頂きます。
治療のゴールが決まり次第、治療を開始していきますので、勝手に治療を進めていくようなことは決してありません。
ご安心して一緒に頑張っていきましょう。

正確な診断のための検査

レントゲン(14枚法)

3~4本の歯を精密なレントゲンで、歯周病の進行具合、かぶせ物の適合、虫歯の状況などを診査・診断していきます。

14枚法・レントゲン

14枚法・口腔内写真

歯周病精密検査(6点法)

歯の形態は、骨格が各々異なるように千差万別です。歯周ポケットも細かく探る事によって、より正確な診査・診断につながります。

歯周病を把握するには、歯周ポケットと呼ばれる溝の深さを、歯1本につき6か所から測定する精密検査が必要です。
こうして、歯周病の進行度を正確に把握していきます。

当院では、きちんとした検査を行い歯周病がどの段階なのかを把握してから治療を行います。

CT検査

CTの解析データを確認することで、顎骨の骨量を正確に把握できます。

このCT検査によって歯周病の進行度と歯の寿命を測定します。

各症例に対応する治療方法

歯周再生療法

エムドゲイン

今までの歯周病の治療は、歯石・壊死セメント質などの炎症をきたす原因物質を除去し、治癒を促すものでしたが、すでに破壊されてしまった歯周組織の再生は非常に難しいものでした。
スウェーデンで開発されたエムドゲインは、歯周外科の治療後に塗布することにより、破壊されたセメント質などの再生を図るものです。

  • 施術前

    歯周病によって歯周ポケットは深くなり、歯槽骨は溶けてしまっています。

  • 施術後

    エムドゲイン治療によって、歯周ポケットは改善し、歯槽骨も回復しています。

短期間の全顎の歯石除去

歯周病集中治療 F.M.D.( Full mouth disinfection)

歯周病治療を受けたいが、お仕事が忙しいビジネスマンの方
また何回も通院する時間が取れない方にお勧めです。

施術前の抗生剤の投薬に加え、約2~3時間かけて1日で歯石の徹底した除去を行い、短期間での歯周病の治療を行う方法です。
欧米の学術論文としても確立されており、軽度の歯周病であればかなりの歯周病改善の効果が期待出来ます。

  • 保険適用にはなりません。
  • 中度の歯周病に対しては、部分的に歯周外科治療処置も必要になります。その場合も保険適用にはなりません。

歯冠長延長術

クラウンレングスニング

クラウンレングスニング(歯冠長延長術)とは、抜歯するしか方法がないような歯を保存するためや、破折を回避するため、審美性を確保するため、歯周ポケットの除去などのために行われる治療法です。

歯肉を切除し歯冠の長さを獲得する方法なので、処置自体は歯肉を切除する一回の処置で済むことが利点です。

  • 治療前
  • 歯冠長延長後
  • 治療後

インプラントと歯周病

欧米では、インプラント治療の大半が歯周病専門医の領域とされています。
かつてのインプラント治療は、口腔外科医主導でただ骨に入れれば良いとされていた時代があり、歯周病や咬み合わせに対する配慮が不足しており、治療の結果が思わしくないこともありました。

このような状況へ対策として、歯周病学会がインプラントをリードすべきではないか、という気運が高まってきたのです。歯肉のマネージメントを含め、組織再生や形成外科を日常的に行っている歯周病専門医が、精密な手技を必要とするインプラント治療に適しているというのが、現在の世界の潮流です。

また歯周病専門医の道を究めることによって、より多くの歯を保存することが可能になります。初めからインプラントありきではなく、歯を残す努力こそが最も重要です。その結果、残念ながら保存不可な歯を抜歯し、インプラントを入れる事は、患者様も納得されるのではないでしょうか。インプラントが長期的に機能するには、歯周病のケアが不可欠であるからです。長期間にわたって健全に機能するように、衛生士を中心に定期的なメンテナンスを提供していきます。

かんたん歯周病セルフチェック

  • 歯みがきのとき、歯肉から出血はありませんか?
  • 歯肉の色が変わったり、腫れたり膿がでたりしていませんか?
  • 1本でもグラグラする歯はありませんか?
  • 口臭は気になりませんか?
  • 歯肉が下がって歯が離れてきているような感じはありませんか?
  • 歯並びやかみ合わせには変化はありませんか?
  • 糖尿病にかかっていませんか?

ひとつでも当てはまる時は早めに歯科医院を受診する事をおすすめします。

歯科疾患実態調査によると、35歳以上の国民の80%が感染している病気であるとの事です。蛇足ですが、ギネスブックで世界一多くの方が罹っている病気であると認定されています。

歯周病症例レポート